2004年12月31日

年の最後を「渡り鳥」で締めくくる

 九州新幹線「つばめ」は、新八代−鹿児島中央間の部分開業で、乗り換えが必須だから不便になるとの大方の予想を裏切り、JR九州の増収に貢献しているそうです。私なんかは、市の玄関口が新幹線開業前は特急停車駅だったのに、開業後は第三セクターの駅に転落してしまった(もちろん特急なんか1本もない)鹿児島県阿久根市は今どうなっているんだろう、とかつい斜めから考えてしまいます。
 列車名の語源となったのは、もちろん鳥のツバメです。ツバメという鳥は、春に東南アジアから日本に渡ってきて秋に帰る渡り鳥(夏鳥)です。農作物の害虫を食べてくれる益鳥として、「ツバメとスズメ」の民話などで古くから知られております。

 この「渡り鳥」という性質から生まれたのが、「若きツバメ」という言い回しです。女性から見て年下の恋人のことを「ツバメ」というのは、明治時代の婦人運動家・平塚らいてうに端を発しているんだそうで。今回初めて知りました。
 平塚らいてうは、1911(明治44)年に青鞜社を結成して女流文芸誌「青鞜」を発刊します。この「青鞜」では岡本太郎の母などが作品を競いましたが、何人かの男も惹かれてサロンに加わりました。その一人に、長身・寡黙の画学生、奥村博史がいました。らいてうは5歳年下で子供っぽい純情さを持つ奥村に好意を抱き、あけすけなまでの愛情表現をします。奥村の出現で、女の園は大騒ぎになりました。彼女を慕って集まったメンバー、あけすけに言うと「らいてうに恋する女たち」の嫉妬をかき立てたからです。
 というわけで奥村は「白鳥の集う池に舞い降りた燕は、結局池の平和を乱すだけだった」と書き残してらいてうのもとを去ります。らいてうの書いた返事は「燕なら、きっとまた季節がくれば飛んでくるでしょう」というものでした。「若きツバメ」は、このときの手紙のやり取りが語源であるそうです。
 結局この二人は別れることはできず、1918年に正式に結婚して子どもまで設けたということです。ツバメと雷鳥って、つがうことができたのですね(笑)。

 さて、こんな話を書いたのは、12月初旬の私の個人的な経験がもとになっています。
 私は物書きなので、本を読んだり原稿を書いたりしているわけですが、困ったことに自宅にいると仕事をしないんですね。受験生の頃からずっとそうです。というわけで、仕事の道具を持って、方々のファストフードやファミレスに出かけます。その過程で「ミスドめぐ」とかをやっているわけです。
 ある晩、自宅近くの▲▲に立ち寄りました。この店には週1〜2回は行くでしょうか。座席で仕事を片付けていると、男女一組の客が入ってきました。女性のほう、見覚えがあるなーと思ったら、隣駅の■■のレギュラー(正社員)でした。隣駅の■■もよく行く店でして、彼女は知り合いではありませんが、よく行く店ですから店員の顔は覚えています。向こうも、常連客として私の顔を知っている。
 彼女は25歳ぐらいだと思いますが、十代の女の子みたいなお洒落をしています。二人はトイレに行く通り道の席に座ってまして、彼女は私がトイレに向かって歩いていくと必死で視線をそらしました。何やねんと思いつつ、用を足して席に戻るときに相手の男の顔を見ました。どうも男子大学生のようです。こいつも何か見覚えあると思ったら、同じ店の男子バイトでした。つまり、彼女はツバメを引き連れて肩で風を切って歩いてたわけです。

 店での彼女の働きぶりを何度も見ていて(1回の入店で最低1時間はいますので)、姉御風を吹かせるようなタイプの人には見えなかったので、意外に思えました。「女は必要に応じて化ける」と言いますが、私を相手にイメージを作っても仕方ないはずなので、印象自体は信頼できると思います。それ以前に、ファストフードの店は忙しいですから、猫をかぶるヒマはないはずです。

 いや、別にいいんですよ。子供じゃないんだから、誰と付き合ったって。
 ただ、私はこの女性がちょっと気の毒に感じました。仮に女性の側が本気で付き合っているのだとして、数か月後のこういうシーンが目に浮かぶからです。女「あたしのこと愛してるって言ったじゃない」、男「何言ってんの、年上のおばさんに本気になるわけないでしょ」。別に年上の女性だからそうなるわけじゃなくて、男性があまりに若そうですからね。彼には「飯おごってくれるし、させてくれるから」程度の思考能力しかないのでは?
 かといって、まじめな付き合いでないとしたら…何なんでしょうか。ただれた生活? どっちにしても、20代半ばの女性としては気の毒のような気がします。
 付き合いが自然で深いなら、デート中に常連客に遭遇したところで、堂々と挨拶しても不思議ではない。従って、視線をそらしたのは何らかの理由で女性にとってやばかったんだと思います。付き合いが浅いのか、さもなければ相手の男性の歓心を引こうと必死になってるのか。
 ちょっと読み込みすぎですかね? ま、繰り返しますが、誰と付き合おうとその人の勝手ですし、私には関係ありません。

 しかし、そもそも…失礼な話ですよね。私は彼女にとって「店の客」なんですから、自分が顔を覚えていて、かつ私が彼女の顔を知っていると認識しているのなら、会釈ぐらいするのが礼儀です。百歩譲って会釈しないのを許すとしても、視線をそらすとは何事か。邪魔されたくなかったんでしょうが、こっちだって、同伴者がいる人に無理に話しかけたりはしません。
 ま、私は若い頃から女性に「気持ち悪い」と言われることに関しては絶対の自信がありました(今もそんなに変わっていないと思います)。だから、視線をそらされたのは単に気持ち悪がられていただけなのかもしれません。
 そう考えると急に腹が立ってきまして、それ以来「隣駅の■■」には行かなくなりました。


 今日は大晦日です。大晦日といえば、紅白歌合戦。渡り鳥を題材とした歌は紅白にお似合いです。今夜の紅白では坂本冬美が「播磨の渡り鳥」という曲を歌うようですが、私は聴いたことありません。紅白自体、もう何年もご無沙汰です。

 東京の雪は一応やんだようですが、上空は白鳥など冬の渡り鳥がまだまだ主役のようです。たぶんこれが今年最後のエントリになると思います。今年1年、皆さんには大変お世話になりました。わかりきってるので「よいお年を」とは言いませんが(笑)、来年もよろしくご指導・ご支援下さい。
posted by 為栗 裕雅 at 19:34| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2005-01-01 09:01
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